高校生が勉強で涙を流す理由は複数ありますが、涙は決して弱さの証ではありません。
涙は、真剣に努力している証拠であり、何かが心の中で成長している証なのです。
本記事では、勉強で泣く高校生とその親がとるべき対策について詳しく解説しています。
目次
勉強で泣く高校生の理由と原因
高校生が勉強で泣くのはなぜだと思いますか?宿題が多すぎて? 友達との関係がうまくいかないから?
それとも体調が悪いからでしょうか? 答えは違います。
受験のプレッシャーとストレス
想像してみてください。目の前には山ほどのテキストとノート、それに加えて、テストの期日が迫っています。
すべてが重たい荷となって肩にのしかかってきます。それが、受験生の日常です。
「どれから手をつければいいのかわからない」「どうせ全部は覚えられない」という思考に陥り、プレッシャーとストレスが積み重なります。
勉強のストレスが、勉強で泣く高校生の理由の一つです。
進学校に通う高校生たちは特に、全国模試の結果が常に気になる存在となります。
彼らは大学受験のプレッシャーに押しつぶされそうになっています。
深夜まで勉強する日々に疲れ果て、泣き崩れる生徒も少なくありません。
「もう、勉強なんて……」という思いが生まれるのも無理はありません。これが現実なのです。
勉強がわからなくて泣く
「わからない」こそが最大の壁です。
教科書を何度も読み返し、わからない箇所を探し出し、解決の手がかりを見つけようとします。
しかし、それが容易にできないとき、感情は急速に溜まり、最終的には泣き出してしまうのです。
例えば、複雑な数学の問題を解くためには、公式を理解し適用するスキルが必要です。
しかし、公式が理解できなければ、問題は解けません。
勉強が理解できていないため問題が解けず「自分はダメだ」「わからない」という感情が生まれ、自分自身を責めることになります。
自己評価の低下
勉強がわからないことで自己評価が低下します。
高校生は誰しも、自分が頑張れば結果が出ると信じています。
しかし、一度つまずいてしまうと「自分はダメだ」と思うようになります。
自己評価が低下すると、全てのことがマイナスに見えてきます。
テストの点数、友達との関係、自分の未来に対する展望まで、全てが暗く見えてしまいます。
結果、心が疲れ、涙が溢れてしまうのです。
勉強での孤独感
高校生にとって、勉強は孤独な戦いです。
友達や親、先生に助けを求めることはできますが、最終的には自分一人で解決しなければならない問題が山積みです。
勉強での孤独感が、心の中に溜まり、涙を誘う原因となるのです。
例えば、深夜にひとりで問題集と向き合う時間は、時として孤独感を強く感じさせます。
自分だけが苦労しているように見え、ネガティブな感情が膨らんでしまい涙がでるのです。
勉強で泣く高校生への対策
大切なことは自分の感情を認めることです。
泣きたいときは泣きましょう。
感情は無理に抑え込まず、出してしまうことで、少しは解消できます。
また、泣くこと自体がストレス発散につながり、心のリフレッシュにもなります。
さらに、自分を労わることも大切です。
自分の好きなことをする時間を設ける、好きな食べ物を食べる、好きな音楽を聞くなど、心地よい時間を過ごすことで気持ちが落ち着くことでしょう。
適度な運動と充分な睡眠
運動はストレス解消に効果的です。
特に、身体を動かすことで心地よい疲れを感じ、頭の中がリフレッシュできます。
日々の勉強に追われ、運動をする時間がないと感じるかもしれませんが、手軽にできるストレッチや軽いジョギングでも十分効果があります。
そして、充分な睡眠をとることは必須です。
睡眠は脳と身体の回復期間であり、記憶の定着にも欠かせません。
また、睡眠不足は感情のコントロールが難しくなる原因ともなります。
遅くまで勉強することが良い成績につながるという考えは見直す必要があります。
質の良い睡眠を確保することで、学習効率は上がります。
好きなことをして気分転換
大切なのは、頭を完全に勉強から離す時間を持つことです。
本を読むこと、音楽を聴く、散歩をする、美味しいものを食べる、ゲームをするなど何でもいいのです。
あなた自身をリフレッシュさせ、リラックスさせ、新たな視点やアイデアを生むための源になるからです。
勉強から離れる時間を作るためには、スケジュールに「自分時間」を設けることが有効です。
一日の中で最も集中力が落ちる時間帯、例えば午後の三時から四時などに設けると良いでしょう。
「自分時間」を確保することで、心の中に積もったプレッシャーを和らげ、また一生懸命勉強に取り組むためのエネルギーを得ることができます。
人に話す・プロに相談する
何よりも大切なのは、自分の感情を人に話すことです。
親友に話す、信頼できる大人に話す、誰であれ、あなたの心の中を理解しようとする人に話すのです。
あなたを一人にさせず、あなたの感情を受け止め、共感してくれます。
しかし、心の深い部分で悩んでいて、自分一人では解決できないと感じたときは、プロの心理カウンセラーに相談することを考えてみてください。
専門的なアドバイスとガイダンスは、あなたが自分自身と向き合い、問題解決の手段を見つけるのに大いに役立つことでしょう。
勉強で泣く子に親ができること
子どもが勉強で泣いているとき、親として何ができるのでしょうか。
子どもの気持ちを理解する
親がすべきことは、何よりもまず子どもの気持ちを理解することです。
子どもが何を感じ、何を考えているのかを見つめ、耳を傾けることが大切です。
怒りであれ、悲しみであれ、恐れであれ、子どもが持っている感情は全て有効です。
子どもの感情を否定することなく、親は理解し受け止めるべきです。
その際、注意すべきは、「大丈夫だよ」や「それくらいで落ち込まなくても」といった言葉で子どもの感情を軽視しないことです。
子どもの感情が無視されていると感じさせてしまいかねないからです。
代わりに「それは大変だったね」「どれだけ辛かったか、私にもわかるよ」といった言葉で、子どもの感情を受け止めてあげましょう。
適切な休息を促す
休息は頭脳の働きをリセットし、身体を回復させるために不可欠です。
そのため、子どもが十分な休息をとることを保証する役割も親にはあります。
子どもが寝る時間をきちんと確保し、一日の終わりにはリラクゼーションの時間を持てるように、規則正しいライフスタイルを奨励しましょう。
また、家庭内にリラックスできる空間を作り出すことも重要です。
静かな読書の場所であったり、音楽を聴くコーナーであったり、アートやクラフトを楽しむスペースであったりすることができます。
リラックスできる空間を作ることで、子どもは勉強から一時的に解放され、自分自身を再び見つける機会を得ることができます。
子どもの頑張りを認める
親ができることは、子どもの頑張りを認め、賞賛することです。
例えば、子どもが一日中、難解な数学の問題に挑戦していたとします。
結果として、全ての問題が解けたわけではないかもしれません。
しかし「こんなに一生懸命に取り組んでいること、見ているよ。全ての問題が解けなくても、その努力は素晴らしいよ」というような言葉で、子どもの努力を見て、肯定的に評価することが重要です。
子どもの自信を高め、やる気を引き出す力を持っています。
決して他の子どもと比較するようなことをしてはいけません。
勉強の計画を立てる
勉強の計画を一緒に立てることも役立つでしょう。
具体的には、週にどのくらいの時間をどの科目の勉強に割くか、休憩は何分取るか、どの日には特に重要なテストがあるのか等、一緒にスケジュールを作り、適切な休息時間と楽しむ時間を確保しながら、計画を立てていきましょう。
「火曜日の数学のテストのために、一緒に今週の勉強計画を立ててみよう。でも、その中には必ず君の好きな趣味の時間も入れよう」と提案することで、子どもは自分自身の時間を有効に管理する力を養い、また自分自身のことを理解する機会にもなります。
まとめ
勉強で涙を流す高校生には様々な理由がありますが、決して恥ずべきことではありません。
本人が自分自身に厳しく、真剣に取り組んでいる証拠なのです。
一方、親としては、子どもの感情を理解し、頑張りを認め、勉強の計画を立てることが重要となります。
また、適切な休息を取り、好きなことをして気分転換を図ること、そして何よりも子ども自身が自分の感情を認め、自分自身を労わることが重要です。