部活でレギュラー落ちした子どもに親ができること

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部活でのレギュラー落ちは、子どもにとって、大きなショックとなるものです。

本記事では、部活でレギュラー落ちした子どもと親がどのように向き合うべきかをまとめています。

部活でレギュラー落ちした子どもの感情

部活でレギュラーを外されたときの挫折感。ガッカリした感情が溢れ出し、何も手に付かなかった日々。

夢にまで見たピッチの真ん中、その場所から自分だけが取り除かれた感じ。

親が理解しなければならないのは、部活でレギュラー落ちした子どもの心情です。

失望感と自己評価の低下

失望感と自己評価の低下は、部活でレギュラーを外された子どもが必ずと言っていいほど感じる心情です。

例えば、練習に一生懸命取り組み、準備を整え、仲間と共に目標に向かって汗を流してきた。

結果、レギュラーに選ばれる。一生懸命の成果が認められた証だ。

ところがある日、レギュラーの地位を剥奪される。

それはつまり、自分の価値が否定されたような感じで、心の底からの失望と自己評価の低下を引き起こします。

子どもが持つ可能性が一瞬で砕け散るような感じ。大人でも十分につらいですよね。

それが子どもにとってはどれほどの衝撃であるか、想像してみてください。

悔しさ

レギュラーを外されると、子どもたちは「なぜ自分が?」と自問自答することでしょう。

スポーツの世界は結果が全て。負けた試合、失敗したプレー、それらが自分の力不足と裏付けられてしまう瞬間。

そこには深い悔しさがあります。

「もっと練習すればよかった。もっと早く戦術を理解すればよかった。もっと…」と、子どもは自分を責めるかもしれません。

まるで心の中に突き刺さった棘のようなもの。痛みを伴う悔しさが、子どもの心を苦しめます。

恥ずかしさ

部活というコミュニティにおいて、レギュラーを外されるということは、周囲から目を向けられる状況を生む可能性があります。

友達に見られている。先生に見られている。そして何よりも、自分自身に見られている。

そんな視線の中で、自分が不足している部分を露呈させることは、子どもにとって大きな恥ずかしさとなるでしょう。

「みんなに迷惑をかけている」「自分はダメな子だ」と感じることで、恥ずかしさは深まっていくのです。

孤立感

レギュラーを外されると、今ままでとは違う立場になることで生じる心の孤独。

仲間たちと一緒に練習を重ね、一緒に戦ってきた仲間たちとの絆が一変してしまう。

その瞬間、自分だけが取り残されたような感覚が広がります。

自分だけが違う。自分だけが余計。

そんな孤立感が、子どもの心をさらに深く傷つけます。

不安

失望、悔しさ、恥ずかしさ、孤立感。これらが一つになったとき、心の中に大きな不安が広がります。

自分のこれからについて、部活について、友達との関係について。

子どもたちは未来の不確かさを強く感じ、その先が見えなくなるかもしれません。

まるで、暗闇の中で一人ぼっちになったような不安感。どこに進めばいいのか分からない。

不安という迷いの中に、子どもたちは立ち尽くしてしまうのです。

レギュラー落ちしたときの親の心構え

どのように対応すれば子どもを助けることができるかを考えてみましょう。

まずはじめに理解しなければならないのは、親の役割は「支える存在」であるということ。

子どもの心の傷を癒す力は、必ずしも我々親にはありません。

なおレギュラーになれない親の気持ちの詳細は下記記事もご参考になさってください。

まずは見守る

親としてまず考えるべきことは「見守る」という行為です。

部活でレギュラーを外されたとき、子どもたちは様々な感情に揺さぶられます。

レギュラー落ちした状況で親が過度に干渉し、思いやりのつもりが余計なプレッシャーをかけてしまうこともあります。

ですので、まずは子どもが自身の感情と向き合い、自分自身を理解する時間を持つことが大切です。

その過程を、親は静かに見守っていきましょう。

親が右往左往しない

子どもが部活でレギュラー落ちしたと聞いたとき、親もまたショックを受けるでしょう。

しかし、親の感情を前面に出し、自身が右往左往してしまっては子どもを混乱させる結果となります。

子どもが感じている不安を増幅させてしまう恐れもあります。

そのため、親自身が深呼吸をし、一歩引いて冷静に状況を見つめることが求められます。

不平不満を子どもに言わない

部活の指導者やチームメイトに対して思うところがあるかもしれません。

「なぜうちの子が?」「他の子の方が結果を出していないだろう?」といった疑問や怒りを抱くかもしれません。

しかし、その感情を子どもにぶつけることは避けなければなりません。

子どもは既に自分自身で十分なストレスを感じています。

親からの不満が加わることで、その心の負担はさらに大きくなります。

親の役割は、子どもの心を軽くすること。

子どもの心を軽くするためには、親自身が自分の感情を適切にコントロールすることが求められるのです。

レギュラーを外された子どもへの対応

子どもがレギュラーを外されたとき、親としてどのように接するべきなのでしょうか?

子供の気持ちを理解する

失望、悔しさ、恥ずかしさ、孤立感、不安などの子供の気持ちを理解することが求められます。

「私も同じように感じたことがあるよ」と言って共感を示すことだけではありません。

それぞれの子どもが感じている感情は、その子にとって独特のもの。

それを尊重し、理解しようとする姿勢が求められます。

親としてできることは、子どもが自分の感情を自由に表現できる環境を作ること。

子どもの言葉を丁寧に受け止め、その胸の内を理解しようとする姿勢が必要です。

親のネガティブな感情を子どもと共有しない

親自身が感じているネガティブな感情を子どもと共有しないことも大切です。

指導者への不満や、他の子どもへの嫉妬など、親ならではの感情が湧くこともあるでしょう。

しかし、それらの感情を子どもに伝えることは、子どもの感情を混乱させ、さらに心の傷を深める結果につながります。

親としては、自分の感情を自分自身でコントロールし、子どもには安心感を提供する役割を果たすべきです。

レギュラー落ちした理由を明確にする

なぜ自分がレギュラーを外されたのか、理由を子ども自身が理解することは、今後の成長にとって非常に重要です。

技術面の問題であるかもしれませんし、心構えや姿勢の問題であるかもしれません。

親としては、指導者とのコミュニケーションを通じて理由を探り、子どもに伝える役割を果たすことが求められます。

そして、理由に対してどう対応すれば良いか、一緒に考えることで子どもの自己肯定感を取り戻すサポートをすることが重要となります。

子供のサインを見逃さない

子供たちは時に言葉に出来ない感情を抱え、行動や態度に現します。

例えば、元気がない、食欲がない、勉強に集中できないなど、普段とは違う様子を見せることがあります。

親としては、そんな微妙な変化にも敏感になり、必要であれば専門家に相談するなどの対応をとることが重要です。

まとめ

部活でレギュラー落ちしたという事実は、子供にとって大きな挫折です。

しかし、挫折を乗り越えることで、子供は大きな成長を遂げることができます。

親が果たす役割は、感情を押し付けることではなく、子供の感情を理解し、共感し、サポートすることです。

そのために、親自身が感情をコントロールし、子供の心のケアに寄り添うことが求められます。

レギュラー落ちは、決して終わりではなく、新たなスタートです。

その一歩を、我々大人が子供たちと共に踏み出していきましょう。